「美しいヘア・ラインと全てが手書きの文字盤」
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戦前の懐中時計や腕時計の多くは、純白の焼き物で、この腕時計も例外ではありません。そのため衝撃を受けると表面にクラックが入りやすい性質を持っています。
この文字盤に現れているような微細な「ひび」を英国人はヘア・ラインと言って珍重します。無ければ、衝撃を受けてない証であり、コンディションとしては優れている訳ですが、微かなヘア・ラインは、樹木にとっての年輪のように捉えて楽しむのは、とても英国人らしいと言えます。
また、文字盤の数字や細かなインデックスのライン、そして、夜光塗料に至るまで、全てが手書きであることも戦前の特徴と言え、工芸品としての評価を得ている理由なのです。
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「ユニークな設計の銀無垢ボーゲル・ケース」 |
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この腕時計に採用されているケースは、ボーゲル式と呼ばれている特殊な構造を持つことで、独特で魅力的な外観の印象を作りあげています。
1910年代、つまり、世に腕時計が生れた時代に多く見られる、このボーゲル・ケースは、本体と裏蓋が一体化しており、ベゼルに取り付けられた文字盤を含むムーブメントをねじ込むことにより取り付けるという極めてユニークなケースであると言えます。
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「1916年に生産された証が刻まれている」
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ケース本体の内部には、ホールマークが刻まれていますが、この時代のスミスは、そのほとんどをスイスのロンジン社で生産されていたため、英国に入国した年のインポート・ホールマークが刻印されています。
ホールマークの組み合わせにより1916年に入国していることがわかります。入国年と製造年は、ほぼ同一であることから、英国のアンティーク業界では、これを製造年式としています。 |
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「懐中時計の名残である竜頭周りのデザイン」 |
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戦前の懐中時計からの発展型である腕時計の初期デザインは、当時のピン・セット式の竜頭周りのデザインが、そのまま腕時計にも採用されています。
時刻設定を行う際に、竜頭を回す時、脇にあるピンを爪で押し込みながら行います。この方式は、戦前の懐中時計の名残で、戦後とは大きく異なるデザインに風情を感じ、1910年代に思いを馳せることが出来ます。
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「ロンジン社製の超高品質ムーブメントを搭載」 |
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この時代のスミスには、ロンジン社製の超高品質ムーブメントが多く搭載され取り、このモデルも例外ではありません。そのため、精度に関しては、戦後のスミスと大差はなく1916年としては驚異的な性能を発揮します。
緩急針のインジケーターに記されたイニシャルは戦後のスミスとは少々異なり、A FとR Sであることが分かります。AはADVANCEの、FはFASTの頭文字であり共に「進み」を示しています。また、RはRETARDの、SはSLOWの頭文字で共に「遅れ」を示しています。 |
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「特殊なベルトを必要とするラグ構造」
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戦前の腕時計のラグは、その成り立ちからも理解できるように、ケースにワイヤーをロー付けしたデザインが多く見られます。
そのため、ベルト自体の構造も大きく異なり写真のオープン・エンドや、一本モノの長ベルトをそれぞれのラグに通す方法となります。
この製品には当時モノの、雰囲気あるユーズド、そして、新品が付属いたします。
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