「大熊宏美の1/43ジオラマの世界」




コツコツと毎日積み重ねて行く


「我が家に子猫がやって来た」


「半年ほどになりますが、我が家に子猫がやって来て、いつもの生活が朝
から晩まで、ネコ、猫、ねこ。子猫中心の生活になってしまったんです。」
 このジオラマの作者であり、フォトグラファーでもある大熊宏美の日常は、
突如として、子猫にかき乱されてしまったようだ。





「子猫との生活が始まった」

 生後一週間にも満たない、目すら開いていない子猫が、裏庭で二日間もの
間鳴き続けていたが、母猫は戻ってこなかった。雨の中、救出すると、その
泥だらけの子猫は呼吸はしているものの、身体は冷え切ってぐったりとして
おり、鳴くことは無かった。暖かい湯で、全身を洗い、ドライヤーで乾かす
と、微かな鳴き声をあげて目覚めたという。猫用のミルクと哺乳瓶で、母親
役が始まった途端に、いつもの生活が子猫中心の生活になった。





「毎日コツコツがだいじ」
 
前置きが長くなったが、ジオラマビルダー大熊宏美の生活は主婦でありな
がら、年に一軒のペースでジオラマを制作している。その仕事ぶりは、想像
を絶するもので、多少は家族の助けがあるものの家事の合間に、コツコツと
毎日、ジオラマの仕事を積み重ねて行くのだ。構想、設計、自然物の材料収集、
塗装、組立と、その全てをひとりでこなしている。しかも、これで完成とい
うわけではなく、出来上がったジオラマに小物や、ミニなどの模型をセッテ
ィングして、自然光の元で撮影を終えて、作品はやっと完成となるわけだ。





「2022カレンダーをお楽しみに」

 天変地異が起きても、疫病が蔓延しても、そして、子猫が迷い込んでも物
ともせずに、毎日、太陽の動きと、光の変化を感じながら制作を進めて行く。

現在、2022カレンダーを製作中! 猫の手も借りたい忙しさだ…。


※このページのコンテンツは、クラシック・ミニマガジンに掲載された連載を再編集したものです